牧場のカラカラ。
ハヤブサ科の、このカラカラの写真が撮れたのは、Enano(エナーノ)バナナを栽培している、Hda.Clementina(クレメンテイーナ 農園)の中で、パイナップル畑と、バナナ畑、牧場、そして、農園内の自然保護林が隣接し合っている場所ででした。
クレメンティーナ農園は、チンボラソ山(6,310M)から約150キロメートル南西に下った、アンデス山麓に位置して、面積10,000ヘクタールの大農園です。バナナは、そのうちの3,400ヘクタール、パイナップルは500ヘクタール、自然保護林は、2,000ヘクタールあります。自然保護林の中には、野鳥はもとより、ティグリージョ(オセロット)、ヤグァルンディ(大型のヤマネコ)、鹿、猪、等々、様々な野生動物が棲息しており、北欧の科学者たちが定期的に、生態調査に訪れています。 この場所に来ると、10回に4回は、カラカラを目にします。その付近の何処かに巣があるのではないかと思います。
大空を飛翔するカラカラ。
10年前に、チリーのサンティアーゴで、牧場の中を、非常に大型なシェパード犬が、カラカラに空中から攻撃を受けて走り回っているのを見ました。多分、その鳥の巣があると思われる辺りへ、犬が近ずく度に、かならず、カラカラが飛び出してきてシェパードに攻撃を仕掛けていました。如何に、カラカラが猛禽であっても、私が見てきたシェパードのなかでも、最も大きい、そのシェパードに向かってゆくのは、無謀に思えて、ハラハラして見ているうちに、奇妙なことに気がつきました。どうも、シェパードは、カラカラと遊んでいるつもりのようでしたが、カラカラは巣を守るのに必死でした。シェパードの無邪気な遊び心と、カラカラの勇猛さが今でも、私の記憶の中に鮮やかに残っています。
このハヤブサ科の鳥を好きな人は、大勢いるようです。