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No.85 Galapagos Sea Lion

Photo & Text:Motoaki Itoh

今回は、"Galapagos Sea Lion (ガラパゴスアシカ:Zalophus californianus wollebacki)"です。

Galapagos Sea Lion (ガラパゴスアシカ:Zalophus californianus wollebacki)

Plaza del Sur島のChannelから自分のテリトリーに上がって来て、ハーレムを見渡している雄。アシカの雄はハーレムを守るため二週間から三週間も殆ど餌を獲らないので、終いには体力が無くなり、他の雄にその地位を交代されるのだそうです。

ガラパゴス諸島に棲息するアシカは二種類で、このカリフォルニァアシカの遠縁にあたるものと、Fur Seal(Arctocephalus galapagoensis)です。ガラパゴスアシカはどこの島でも、海岸、港に行けば水中を泳いでいるもの、砂の上に寝転んで日向ぼっこをしているもの、或いは、港に繋留してあるモーターボートのデッキの上で番犬よろしく転寝しているもの、子供同士が岩に囲まれてプール状になった水溜りで保母さん役の雌の成獣に見守られて遊び戯れているものなど、自由気ままに生きている様々な姿で皆さんを楽しませてくれます。ガラパゴス諸島ツアーをスタートした直後は、誰も彼もが、多分サン・フランシスコのFisherman’s Warfで人慣れしたアシカを見慣れている人達を除けば、野生のアシカを目の前にして興奮します。そのうち、あまり何処へ行ってもアシカばかり見るのでほとんどの人が飽きてしまいます。ただし、動物好きの人達はアシカの赤ちゃんは何回見ても飽きないようです。勿論、自然に人間が触れることを厳しく制限しているガラパゴスでは、アシカに触ることや餌を与えることは禁止されているのは言うまでもありません。アシカの赤ちゃんに人間が触ると、その臭いが付いて、臭いで我が仔を認識する母親アシカを混乱させ、最悪の場合は、授乳を拒否することも起きるので、絶対に触らないで下さい、とガイドさんに注意されます。しかし、困ったことには、母アシカが餌捕りに出てその帰りを待たされている赤ちゃんアシカは、そばを通る観光客の足元にヨチヨチと寄って来ますので、つい、手を伸ばしたくなってしまうのです。

Galapagos Sea Lion (ガラパゴスアシカ:Zalophus californianus wollebacki)

母親が海から上がって来たので、幼児同士で遊んでいた子供アシカが母親と鼻をくっつけあって喜んでいるところ。この後、この子はお乳を貰っていました。

Fur Sealの方は特定の棲息地に行かないと見られませんが、私達の慌しい二泊三日の観光でも、この南極海流に乗って南からガラパゴスにやって来たアシカの子孫はプラサ島の沖にあるGordon Rockを廻ると船の上から見ることができます。このアシカは体つきがガラパゴスアシカよりも少し小さく、鼻も少し寸詰まりですが、顔立ちはこちらの方が美形だと言う人が多いようです。

このアシカ達のように、赤道直下のエクアドールでは、ガラパゴス諸島は当然のこと、大陸の本土にも北半球原産の種と南半球原産の種が共存しているものが幾つかあるのも特徴です。

前回のヒキガエルの名前を、蛙好きの友人が教えてくれました。「南米鮫肌ガエル」と言うのが正式な名前だそうです。もうひとつの、トノサマガエルらしい方は、図書館に行って調べて頂いたのですが、判らないと言われました。トノサアマガエルは総じて、赤っぽい色をしているものが多く、新大陸では旧大陸ほどいないようで、まして緑色のものは図鑑にも載っていなかったそうです。