ロイヤル・ブルーに輝いていたアオミミハチドリ。 Cotacachi のレストランの庭園で。下から撮ったせいか、嘴の湾曲が普通のアオミミハチドリよりは少ない気がするのですが。
今回も前回に続いて Sparkling Violetear(アオミミハチドリ)にしました。その理由は、今までたびたび書いて来ました「ハチドリの識別がとても難しい」ことと、ハチドリの観察は奥が深く同時に面白いことを、皆様に分かっていただけたらと思ったからです。
前回の二枚の写真と今回の二枚の写真を見比べてください。私にとって一番アオミミハチドリらしいのは、前回のアロエに似た花の蜜を吸うためにホヴァリングをしているハチドリですが、ちょっと遠すぎて分かり難い点は申し訳ありません。同じく前回の、顔を花粉だらけにしているのも、黄色い花粉を除けば、これぞアオミミハチドリと言える写真ですが、現実に花粉が付いていると花粉の付いていない顔を想像するのは難いのではないかと思います。ところが、今回の二枚の写真に写っているのはちょっと見では、「あれも、これもアオミミハチドリですか。」と、迷っても当然のような気がするハチドリです。私も未だにどこか引っ掛かっています。
Guallabamba の動物園で見かけたアオミミハチドリ。
ハチドリやモルフォ蝶のように、細かい羽毛や鱗粉が光を反射してメタリックに輝く生き物は、光の当たる角度や光の質によって、ポジの画像の色が様々に変化するだろうというのは想像が出来るのですが、今回の一枚目に載せた全身ロイヤル・ブルーの鳥と、二枚目の明るい緑色の鳥が同じ種だとしか言えないのは何か釈然としないのです。ちなみに、私は中南米の鳥類図鑑は、メキシコから始まって、コスタリカ、パナマ、コロンビア、ヴェネズエラ、エクアドール、ペルーとかなりの国のものを持っていますが、一枚目のハチドリのようなイラストをエクアドールと近隣諸国のガイド・ブックの中では見つけられないのです。ただ、これを撮ったのが、 Cotacachi のレストラン「 La Mirage 」で、羽色以外はアオミミハチドリにそっくりなので、このハチドリの変種か、亜種、あるいは、撮影時の光線の質、被写体との角度によって偶然こんな色に撮れたのかなあ、と、こんがらがった頭で考えている次第です。
また、二枚目の緑色のハチドリを撮った時は、 Green Violetear(ミドリハチドリ)かと思ったのですが、よく見ると腹部に青い羽毛があるので、これは明らかにアオミミハチドリの特徴であるとガイドブックには書いてありますから、アオミミハチドリに違いないと考えました。ただ、アンデスの直射日光のもとで見るアオミミハチドリは、体全体がもっとブルーっぽい印象を持っていたので、このように緑色が強いのはなにか私にはしっくり来ないのです。
ハチドリは可愛いばかりか、マニアックに観察しても、バーダーがのめり込む価値のある野鳥ですから、これを専門に研究する人達が大勢いること、ハチドリをテーマにした TV 番組が世界中に多いのも納得できます。そして、とても識別のややこしい野鳥だという事も分かっていただけたことと思います。