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No.8 Blue-Crowned Motmot(ハチクイモドキ)

Photo & Text:Motoaki Itoh

Blue-Crowned Motmot(ハチクイモドキ)

Blue-Crowned Motmot(ハチクイモドキ)

サニート農園内の電線に、番で止まっているところ。

この鳥を見られることは、今では、運次第といってもよいくらいです。私の場合ですと、ここ4年に限れば、15回Ecuadorへ出張しています。延べ30週を超える滞在日数を数えますが、この鳥に会ったのは、たった4回だけです。そのうちの2回は、36枚撮りのフィルムを一度に、4本は取れるぐらいの時間、逃げないでいてくれましたが、後の2回は、シャッターを切る間もなく、バナナ園の中に姿を消してしまいました。

食虫の鳥なので、有機農園やSanito農園でしか、まずその姿を目にすることはありません。


Blue-Crowned Motmot(ハチクイモドキ)

食事を終えて、バナナの葉で一休み。

姿も色も美しく、存在感も圧倒的な野鳥で、私はその姿を目にすると、移動中であっても運転手に興奮した声で車を止めるように言っているようです。そして、その姿を同行している者たちに冷やかされます。 5月に出張したときに、私が余りにこの鳥の話をするので、煩わしくなったのかバナナ農園主の一人が、「セニョール、この鳥のあだ名が、Culebrero(毒蛇使い)と言われているのを知っていますか。」と、聞いてきました。「Culebrero、それは、Culebra(毒蛇)のことですか。」と、聞き返したら、「Si(はい)、セニョール。」と答えたのです。こっちは焦ってしまって、「貴方たちは、毒蛇のことも無毒の蛇のことも、ボア(水ニシキヘビ)のことも、Culebra と言うじゃないか…もしかして、それはX(エキス)かCoral(サンゴヘビ)のことですか。」と訊いていました。「Si. セニョール、X(エキス)のことですよ。」「X (エキス)、学名Bothrops Atroxのことですよ。この辺りで一番危険な、あのXです。どういう訳か、この美しい鳥はよくXと一緒にいるんですよ。」

こんなに美しい鳥が、よりによって、最強の毒をもつX(エキス)と行動を共にしているとは!今度会ったら、十分に気をつけなくては、と、自分に言い聞かせていました。

でも、本当に美しい鳥ですよ。