幹をつっつくのを一休み。
このキツツキは、前回載せたスズメフクロウを撮ったサニート農園“San Fermin”の奥にある堆肥場を見に行ったとき、そこにはよくキツツキが来るのを知っていましたので、また来ているのではないかと丹念に周りの大きな喬木を見回していて、見つけて撮ったものです。キツツキやキバシリの類はエクアドールにはかなりの仲間がいますが、数百年前までは密林であった所が牧場、水田、カカオ園、バナナ園、果樹園、トウモロコシ畑などにするため、木を伐採されて来たので、これは人間が農業に依存して生きていくための業とでも言うのでしょうが、棲家を失い、今ではバナナ園の一部に残されている林の中や、緑の回廊が辛うじて残っている丘や谷間で細々と生存しています。彼ら彼女らの大部分は、未だ緑豊かなアンデスの急峻な西側山麓に入ってしまいました。それでも、エクアドールのラ・コスタ地区のように緯度上は熱帯に位置し、湖沼、河川の存在によって適度な湿度が乾季の期間でも保たれている所では、殺虫剤の使用を極端に減らしたり、止めたりすると、すぐに昆虫が大量に発生するので、それを狙って食虫の鳥がやって来ます。キツツキの中には、硬い木の幹に穴を開けるのよりもバナナに寄生する虫を取るほうが楽なので、そんな昆虫を取るようになったものがいる、と物知り顔で説明してくれる現地の仲間もいます。そのユニークな説にはなんとなく首をかしげるのですが、そんなことは全くないだろうと、否定出来るほど私はキツツキを観察していません。
人間が大勢来たので警戒して、周りを見回し始めたホオグロミヤビゲラ。
ホオグロミヤビゲラは、今まで度々取り上げてきた、エナーノ農園のひとつ「ロス・アラモス」、あるいは、サニート農園「サン・マルコス」でも見ていますので、ラ・コスタの中部地区にはまだ広く分布しているものと思います。写真はちょっと距離が離れていたのを撮ったので、このキツツキの艶やかな頭部の色彩がわかりにくいのが申し訳ないのですが、とても美しい野鳥です。いつかは、もっと近くに寄ってシャッターを切りたいと思っています。
前回、スズメフクロウが身を潜めていたのは、日本の柿に似た味の果物「マメイ」の木、と書きましたが、これは「マメイ」ではなく、「Zapote(サポーテ)」です。間違ってごめんなさい。マメイとサポーテはどちらも柿に似た味がしますが、果皮が違います。マメイは明るい赤茶色をしていて、果皮も乾燥していますが柔らかく、剥き易いのですが、サポーテの皮は硬く剥くのに手間がかかります。