サンタ・クルス島沖まで飛んできたガラパゴスアホウドリ。
Isla Espanola (英 Hood Island )、エスパニョラ島で繁殖するアホウドリを見るには、最低でも5泊6日のクルージング・ツアーに参加しなければならないので、エクアドール・バナナ農園視察出張の間の土曜日と日曜日の二日だけを利用してガラパゴスを駆け足で見て回る私達にとっては、生息地へ行ってアホウドリを Wide-Lenz (広角レンズ)で撮るのは夢のようなことです。私たちの通常のガラパゴス・コースは、サンタ・クルス島でスカレシアの雲霧林を回りながら、何種類かのフィンチやベニタイランチョウを見て、その後、牧場にやって来るゾウガメの写真を撮り、ホテル・ガラパゴスにチェック・インして昼食を取った後、ダーウィン・研究所へ行き、自然保護の重要性、同研究所が行っている活動等について丁寧な説明を受けて、ゾウガメ飼育場を見て回ります。翌日は小型観光船をチャーターして、潮に合わせてセイモア・デル・ノルテ島とプラサ・デル・スル島を一日かけて回ります。その二つの島で見る主な海鳥は、アオアシ・カツオドリ、マスク・カツオドリ、アカメ・カモメ、アカハシ・ネッタイチョウ、グンカンドリ、ペリカン等ですが、アホウドリはまず目にすることはありません。その、駆け足観光で見ることのできない鳥は、ガラパゴス・ペンギン、コバネウ、アカアシ・カツオドリ、アホウドリ、ガラパゴス・ノスリ等です。ここに載せた写真は、トリミングしてもこれ以上の大きさにはならない程遠くを飛んでいたアホウドリをプラサ・デル・スル島の沖で撮ったものです。ガイドさんの説明によると、大規模なエル・ニーニョの年は、アホウドリも餌を探してサンタ・クルス島の沖合いまで良く飛んでくるそうです。
周りの岩や植物に溶け込んで、じっとしていたガラパゴスコミミズク。まるで、忍者のようでした。猫と間違えたのも仕方ないですね。
ガラパゴスコミミズクを撮ったのは、そんな忙しない日程をこなしながら、プラサ・デル・スル島の南側にある断崖の淵をネッタイチョウを見ながら歩いていた時でした。突然、仲間の一人が「おいっ。猫がいるよ。」と叫んだので、私は一瞬、誰か観光客がこっそり猫を連れてきて、猫に逃げられたのかなあ、と思いました。ガラパゴスで迷い猫、捨て猫になると悲惨な運命が待ち受けているのを良く知っていますので、心配になって、仲間が指差す方を必死で見ました。しかし、何も見えないのです。「どこですか。猫なんか見えませんが。」と、聞きながら、テレレンズ越しに猫を探し続けました。「伊藤さん、ほら、あそこの岩の陰になっているような、手前の所ですよ。」と言われたので、そっちにレンズを向けるといました。だけど、猫でなく、ミミズクでした。後で分かったのですが、プラサ・デル・スル島で毎年営巣をするミミズクがいるそうです。岩の模様とミミズクの羽の模様が似ていて、とても上手にカモフラージュしていますので、多分、イグアナの子供や、溶岩トカゲにはとても厄介な捕食者でしょう。