バナナ園の野鳥と生き物 = バックナンバー =


No.57  Orange-Crowned Euphonia

Photo & Text:Motoaki Itoh

"Orange-Crowned Euphonia(Euphonia Saturata)"

Orange-Crowned Euphonia(Euphonia Saturata)

田辺農園でサニートの廃棄バナナを啄ばみにきた Orange-Crowned Euphonia 。

今回は前回に続いて、田辺農園で撮った Euphonia です。今回も和名は見つかりませんでした。私がいつも読ませて頂いている Costa Rica の野鳥や自然のホームページを開いている方のところで、和名を付けてそれが通用するようになれば、和名として定着する、と言うようなことが書かれているのを見ました。へえ、そんなものだったのかあ、と感心しましたが、誰かこの鳥にも良い和名を付けてくれないかと思っています。

Tanager の中の Euphonia には幾つかの、私にはよくわからないのですが、種、亜種、地方亜種、等があり、私が見かけた鳥たちはどれもが綺麗で愛くるしく、見ているのがとても楽しい小鳥達です。

この Orange-Crowned Euphonia は前回の Thick-billed Euphonia と一見そっくりに見えると思います。でも、よく見るとオレンジと黄色の違いとか、オレンジ色の模様が少し違っていることに気が付かれるでしょう。この時も、まず Orange-Crowned の小さな群がバナナを突っつきに現れ、彼らが姿を消してから Thick-Billed の群がやって来ました。 Orange-Crowned を Thick-Billed と勘違いしていましたので、「ああ、また戻って来たのか。」と思ったのですが、レンズを覗くと、さっきのエウフォニアと違って明るい黄色なのに気が付きました。「あっそうか、さっきのは Orange-Crowned で、こっちの群が Thick-Billed か。」と納得した訳です。

Orange-Crowned Euphonia(Euphonia Saturata)

距離は20メートル余り有ったのですが、こちらが気になってしょうがない様子。

来る 24 日に放映される「素敵な宇宙船地球号」の中では、この Euphonia は撮影されていないようです。撮影 スタッフ に同行した者の話では、ハチドリ、タイランチョウ、フウキンチョウ( Lemon Rumped Tanager )、クビワヤマセミ、ハチクイモドキ( Blue Crowned Motmot )、鷹、鴨、鳩類などは、プロの集団がバナナ園に入ったため、たった 2 週間あまりで、私が 10 年以上かけても発見したり、撮ったりすることができなかったような野鳥の生態をフィルムに収めたそうです。 それも当然だと思います。 古い諺に、「餅屋は餅屋」と言うのがありますよね。

そんなプロ集団でも、なぜエウフォニア( Euphonia )が撮れなかったかと言うと、農園主の田辺さんが輸出規格外品を農園の片隅で発酵・熟成させることを止め、青いまま のバナナを巨大なシュレッダーで砕いて、堆肥を作るようにしたことで 、餌が無くなったエウフォニアが堆肥場に姿を見せなくなったためです。

まあ、たとえプロでも被写体に巡り合わなければ、私のような素人が撮れる野鳥でさえ撮れないことがある、それが鳥を見る人間について回る宿命のようなもので、その点がアマチュアにとっては救いみたいなものなんだなあ、と、一人自己満足している次第です。

試作段階のプログラム・ヴィデオを見た人達の話しを総合すると、とても素晴らしいと言っていますので、 24 日の日曜日が楽しみです。