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No.55  Galapagos Mockingbird

Photo & Text:Motoaki Itoh

"Galapagos Mockingbird(ガラパゴスマネシツグミ)"

Galapagos Mockingbird(ガラパゴスマネシツグミ)

サンタ・クルス島、ダーウィン研究所のウチワサボテンにとまっていたガラパゴスマネシツグミ。

このマネシツグミは、雨季を除くと年中乾燥して水が少ない場所がほとんどのガラパゴス諸島の中でも、さらに乾いた地域や島々で多く見られます。 ガラパゴス・ドキュメンタリー番組でよく見るシーンの一つに、マネシツグミが、訪問者が飲んでいるミネラル・ウォーターをペット・ボトルから貰っている光景があります。いくらガラパゴス諸島の野鳥が人間を怖がらないと言っても、こんなシーンは、人間が居住していない島でしか見ることはできません。 居住が許可されているSanta Cruz島やSan Christobal島では、この鳥は人間を警戒して、せいぜい6メートル位までしか近寄れません。それよりも接近すると飛んで行ってしまいます。 そういう意味では、他の野鳥と比較すると、このマネシツグミは頭が良いと言うか、警戒心の強い鳥です。あるいは、他に私たちの知らない理由があるのかも知れません。

それでも、ヒヨドリほどの大きさの野鳥に6メートル程の所まで近寄ることができて、その鳥がじっとこちらを見ていてくれますので、日本や他の国の野鳥観測スポットで、鳥に接近することに苦労してばかりいる私たちアマチュア・カメラマンにとってはとてもありがたい被写体です。


Galapagos Mockingbird(ガラパゴスマネシツグミ)

真っ青なガラパゴスの空を背景に。

ガラパゴスマネシツグミは、大陸の海岸地帯にいるLong-Tailed Mockingbird(クロヒゲマネシツグミ)とよく似ていて、最初にこのLong-Tailed Mockingbirdを、グァヤキールから100キロちょっと西に在るPlayasと言う海辺の町へ行く途中、サボテンが点在するサヴァンナの中で見たときは、まったく同一の種が1000キロ離れたガラパゴス諸島と本土の海岸地帯に棲息しているものと早合点してしまいました。 ところがよく見ると、本土のものは、より茶色がかっており、ガラパゴスのものはグレイが強いのが分かりました。

第53回のクロオビチドリのところで、あるテレビ局がエクァドール・バナナ園とその自然を近いうちに放映してくれると書きましたが、その放映予定日が決まりました。テレビ朝日系列全国ネットで、番組名は「素敵な宇宙船地球号」、10月24日の午後11時30分からです。その中には当然何種類もの野鳥が撮影されていたとのことで、私も番組を見るのを楽しみにしています。