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No.53  Collared Plover

Photo & Text:Motoaki Itoh

"Collared Plover(クロオビチドリ)"

Collared Plover(クロオビチドリ)

堆肥場のコンクリートを歩き回っていたチドリ。

このチドリが十数羽で群をなして飛んでいるのを、今まで何回も書いてきましたモカチェ市の San Marcos (サン・マルコス)農園で最初に見た時は、エル・ニーニョの年でしたので、このチドリ達は強風に煽られて120キロ西の太平洋沿岸からこの内陸まで迷い込んで来たものだと決め込んでしまいました。ところが、四ヶ月後にまた日本からこの農園を視察に訪れたときも、再度このチドリを堆肥場で見ました。 私は海辺の街の育ちですので、チドリは海の波打ち際にいるものと思い込んでいましたから、その時も、風に吹かれて偶然辿りついた所が堆肥場という大量に昆虫や微生物が自然発生する場所で、餌はふんだんに、そして、簡単に手に入るからここに住み着いているのかなあ、何時までいるのかなあ、などと考えてシャッターを切っていました。

その一年後に、出張したときもまた見かけたので、「おやっ、これは変だぞ。」と思いましたが、いつの間にかこのチドリのことは忘れていました。今年のはじめに、図鑑 The Birds of Ecuador を手に入れて、水鳥のページを見ていたら、この種だけが、海岸から離れた内陸の河川や湖沼地帯に住み着くチドリだということが書いてありました。これでそれまでの疑問がやっと解けました。


Collared Plover(クロオビチドリ)

20羽ほどの群の中から傍にやって来た2羽を、パチリと一枚。

乾季でも川幅が50メートルはあって、水量も豊富な Rio Quevedo (ケヴェド川)の岸辺に位置するサン・マルコス農園には、かなり大きな貯水池が二つあり、その他、15程の養魚池もあるため、大体いつ行っても、10種類以上の水鳥を見ることができます。タイランチョウ、フウキンチョウ、ハチドリ、フィンチ、猛禽類が棲息していることは今までにも書いてきました。近いうちに、あるテレビ局でエクアドールのバナナ園と自然をテーマにした番組が放映される予定ですので、このホーム・ページを見て頂いている皆様には、放映日が決まり次第お伝えしたいと思います。その中で、この農園の自然も紹介されると思います。