バナナ園の野鳥と生き物 = バックナンバー =


No.51 Cattle Egret(アマサギ)

Photo & Text:Motoaki Itoh

"Cattle Egret(アマサギ)"

Cattle Egret(アマサギ)

サニート農園で堆肥を作る目的で、輸出規格外品を野積みにして腐らせている場所に集まってきたアマサギ。虫が大量に自然発生しています。

この鳥のことは日本でも良く知られているので、ここではエクアドールのバナナ園やその周辺で、生態と言うと大袈裟になりますので、どんな風に生きているのかを書こうと思います。

アマサギはコスタ地帯のいたる所で見られます。多分、市街地を離れたら最も目にする野鳥だと言えます。 水田、湖沼地帯、ごみ捨て場、バナナ園の中にある選別もれのフルーツや収穫後の茎や幹を置いておく場所、堆肥場などで、昆虫や小さい生き物を獲っている姿が見られます。 集落の端にあるごみ捨て場では、数十羽のGallinazo(クロコンドル)と呼ばれる「ハゲタカ」と一緒になって、餌をあさっています。 その光景を最初に目にすると、皆さん「壮観ですねー。」と言いますが、見慣れてしまうとなんと言うか、多分日本でカラスたちが群れて、ゴミをあさっているのを見るときのような、「もういいよ。」と言うような感じになります。

ただし、いくら人間の感覚で汚れた、あるいは汚い場所に群れているといっても、殺虫剤や除草剤をかなり使う農園の中でこのアマサギを見ることはありません。


Cattle Egret(アマサギ)

グァヤキールの50キロほど北にあるバナナと米の生産集荷基地、Vincesで見たつつましい米農家の若者とアマサギ達。

同じように群れていても、何十羽というアマサギがダイサキと一緒になって、田んぼの中で耕運機が掘り返した土から餌を獲っているのを見るのは、なにかほっとする懐かしい風景を見ている気持ちになるのは、私だけではないようです。バーダーの皆さんはご存知のように、この鳥は英語名が示しているとおり、大型の哺乳類の後を付いて周り、その足音に驚いて飛び出してくる昆虫や小動物を捕食する習性を持っています。昔は、牛や馬の後を追っていましたが、今はトラクターや耕運機の後について回ります。牛や馬では地面を掘り起こしませんから、トラクターや耕運機のあとを追う方がはるかに収穫が多いのでしょう。