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No.40  Savanna Hawk

Photo & Text:Motoaki Itoh

"Savanna Hawk(サバンナ・ホーク)"

Savanna Hawk(サバンナ・ホーク)

Triunfo地区のエナーノバナナ農園の脇で。

今回と次回は鷹を載せようと考えています。このPageを作った目的が、エクアドールのバナナ園とその周辺の生態系は未だそこそこに保たれている、というより、ここ一世紀ほどの間に世界で盛んになった、外貨獲得や地域産業育成、あるいは食糧確保を主たる目的として、高度に近代化された大規模単体作物栽培農業の中では、他と較べても誤解されているほど自然破壊が行われていないことを分かっていただくためのものでした。その目的からすれば、多様性に富んだ生態系の頂点に君臨する鷲鷹は、本来もっと早く扱うべきだったと反省しています。

鷲鷹の掲載が遅れてしまった理由は、今までに何度か書きましたように、鷹類はエクアド‐ルでも非常に人間を警戒するので、大きなレンズをカメラに装着したまま近づくことがとても難しく、これまでかなり多くの写真を撮っていますが、その殆どがひどくピンボケしていて、いくら記録を目的とした写真だと自分に言い訳しても使えない物ばかりでした。そこで改めて過去十一年間に撮ったポジのスリーブやスライドを記憶を頼りにひっくり返し、スキャナーで拾いなおしていたからです。

いくら身贔屓で、エクアドールでは他の多くの国々と較べると生態系を大事にしている、といっても、農業や牧畜は所詮、林や森、つまり鳥たちの棲家を伐採するところから始まるので、密集する巨木に巣を作る鷲たちを真っ先に山の奥に追いやってしまいます。


Savanna Hawk(サバンナ・ホーク)

10年前、マンゴー農園を見学に行ったとき、ブッシュの中にいたサバンナ・ホーク。

1963年に初めてエクアドールに行って、産地周りをしながら一年間滞在していた時は、もっと多くの野鳥、鷲鷹を含めて見ることが出来ました。しかし、最近では、太平洋沿岸部の平地(コスタ)で冠羽を付けた鷲や鷹を見ることは、よほどの幸運に恵まれないとありません。私個人の経験では、一昨年の七月にカルーマ地区のオリート農園の奥で、山の大木の枝に立派な冠羽を持った鷲か鷹を走っている車の中から見たのが、ここ十年でただ一度のチャンスでした。勿論、アマゾン地帯まで入らなくとも、コスタから続くアンデス山脈の西急斜面のジャングルに入って行けば、これらの冠羽を持った鷲鷹を見ることが出来ると言われています。

今回のSavanna Hawkの和訳名が見つかりません。何ヶ月か前に新聞の記事で、鷹を世話している方の所から、数羽の鷹が盗まれたと言う記事を目にしたとき、サバンナ・ホークと書かれていたのを思い起こすと、この鷹の和訳名は無いのでしょうか。

Savanna Hawkは、コスタ地帯ではまだ多く目にすることが出来る鷹の一つです。