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No.34  Great Egret

Photo & Text:Motoaki Itoh

"Great Egret(ダイサギ)"

Great Egret(ダイサギ)

サニート農園で用水路脇の雑草がきれいに刈り取られ、水中の小魚が見易くなったため、早速やってきたダイサギとユキコサギ。

幾つかの水系を抱えているエクアドールのCosta(コスタ=アンデス山脈と太平洋に挟まれた平野部)では、多くの水辺に棲息している野鳥がいることは、今までに何回か書いてきましたが、バナナ園の中まで入ってくるものは今日ではやはり限られています。とはいえ、バナナ園の周辺の水田や、湖沼地帯、川べり、マングローブの林の中で生きているものまで含めれば、まだかなりの種類の水鳥がいますが。

バナナ園の中、つまり人間と常に接触しながら生きている水鳥の中で、最も頻繁に目にするのは、ユキコサギ、タニシトビとダイサギでしょう。その次に来るのが、ササゴイ、ミドリヤマセミやクビワヤマセミと言ったところだと思います。マダラタイランチョウやアマサギは、私の感覚では水鳥の類には入れていませんので。シギの仲間やチドリの仲間でサニート農園の堆肥場にやって来るものもいます。カモ、バン、レンカクの種類も、バナナ園の周辺の水辺、特に貯水池や巨大農園の中で地下水位が高いためバナナ栽培には不適な区域に作られた水田の中では、よく見られます。


Great Egret(ダイサギ)

サニート農園の中を歩き回っていたダイサギ。蛙や蜥蜴を探していたのかどうかは、わかりません。

ダイサギは、バナナ園の中ではほとんど単独行動をとりますが、水が張られた水田の中では、時に数十羽が群れていることも珍しくありません。アマサギは、バナナ園の中にあるゴミ捨て場のようなところや、水を入れる前にトラクターや耕運機で土を掘り起こしている水田では、やはり何十羽となく群れて、飛び出してくる昆虫を食べているのを見ます。

エクアドールでは、ほとんどのバナナ園を流れる水路で、タナゴ、グッピー、ドジョウの種類、川海老などが棲んでいますので、当然それらを餌とする野鳥が多く見られます。また、これらの中には水中ではなく、バナナの葉・根元などで生きる小さな蛙を取るものもいます。