バナナ園の野鳥と生き物 = バックナンバー =


No.29 Tree Finch & Warbler Finch

Photo & Text:Motoaki Itoh

Tree Finch (ハシブト・ダーウィン・フィンチ)と Warbler Finch (ムシクイ・フィンチ)

Tree Finch (ハシブト・ダーウィン・フィンチ)

ダーウィン研究所・ゾウガメ館脇の草の実をついばんでいたハシブト・ダーウィン・フィンチ。

前回のカワリヒメウソのところでも書きましたが、エクアドールのフィンチの話をする時、どうしても触れなければならないのが、ガラパゴス諸島のダーウィン・フィンチです。この進化論で有名なフィンチのことについて、私が余計なことを書く必要はまったくないと思います。ダーウィン・フィンチは13種類に分類されていて、それぞれ生態そして形体上にはっきりした特長を持っています。

ここに載せた2枚の写真は、サンタ・クルス島で撮ったものです。

写真でも分かるように、Tree Finchは植物食のため嘴は大きく、Wabler Finchは昆虫食のため、嘴は細く尖っています。


Warbler Finch (ムシクイ・フィンチ)

マングローブの林で、2メートル位まで寄れました。人間を警戒していても、怖がってはいないようです。

写真にうるさい友人のひとりが、私の上手くない写真の中でも「ガラパゴスで撮ったものにはマアマアなのがあるな。」と、言ってくれました。その理由は度々説明しましたように、ガラパゴスでは生態系保全が徹底していますので、人間の居住が許可されている町の中を除けば、信じられないぐらい動物が人間を怖がらないのです。つまり極端に言うと、1.5メートル位まで野鳥に寄れることはそんなに珍しいことではありません。これは、40メートルか50メートル位までしか近づけない大陸の鷲・鷹類とは大違いです。ただし、タニシトビは例外です。最近、私の事務所で一緒に仕事をしているエクアドール生まれ、エクアドール育ちの社員が、「ガラパゴスでは、バカチョンでもよい鳥の写真が撮れますよね。」と、言ったとき、思わず、「その通りだよな。」と答えて、あとで考えると「待てよ、私は馬鹿にされたのかなあ。まあ、その通りだから気にすることもないか。」と、変に納得してしまいました。

実際、人間の居住が許可されていない島へ行くと、Galapagos Mocking Bird(ガラパゴス・モノマネシドリ)などは、観光客が飲んでいるペット・ボトルのミネラル・ウォーターをねだってそばを離れない様子が、テレビの旅行番組などでもたびたび紹介されているので、ご覧になった方も多いものと思います。そんな所では、フィルム付きカメラでも十分に良い写真が取れます。