サニート農園で、堆肥を作るために利用する裁断されたバナナの茎の上で。
この鳥は、エクアドールの海岸地帯で、都市部そして農村部を問わず、最も目にする野鳥のひとつです。人間の目には、日本のカラスのように真っ黒に見えます。飛翔距離も短く、飛んでいる姿も格好いいとは、お世辞にも言えません。
ただ、Mating Seasonの雄の鳴き声は、姿からは想像もできないような、愛らしくメロディアスなものになります。
エクアド−ルではこの野鳥を、スペイン語でGarrapatero(ガラパテロ)と呼んでいます。日本語に訳すとあまりよい意味ではありません。「ダニ食い鳥」とでも訳すのでしょう。
この鳥は、家畜、主として牛に寄生するダニを取るので、この名前が付いたようです。しかしながら彼らは、Insect Eaterつまり虫を餌とする鳥で、何もダニだけを食べる訳ではないのですが、こんな人聞きの悪い名前が付けられてしまいました。
ブカイのオリート農園で、葉の間で休んでいるところ。
実は、この鳥はカッコウの仲間なんです。鳴き声も姿も、北半球のカッコウとは似ても似つきませんが。
ガラパゴス諸島にはじめて行った時、車の前を見慣れた黒い鳥が横切ったので、あれっと思って確認すると、それはガラパテロでした。その時まで、ガラパゴスには、ダーウィン・フィンチ、ガラパゴス・ペンギン、軍艦鳥、青足カツオドリ、など、珍しい鳥が多く棲息していることは知識として知っていましたが、ガラパテロがいるとは、思ってもみませんでした。飛翔距離が短いガラパテロが1000キロも離れた大陸から、飛んで来たとは考えもできなかったからです。
その答えは、すぐに分かりました。まだガラパゴス諸島の植民と開発の規制が緩やかであった時代、牧場主達は、ダニ、ブヨなどの家畜にたかる害虫に頭を痛めたそうです。そこで思いついたのが、大陸の牧場で活躍していたガラパテロだったのです。人間によって持ち込まれた、ガラパテロは島の環境があっていたのか、繁殖し続けてきました。