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No.155 Striated Heron&Cattle Egret

Photo & Text:Motoaki Itoh

今回は、" Striated Heron (ササゴイ:Ardeola striata) & Cattle Egret (アマサギ:Egretta ibis) "です。

Striated Heron (ササゴイ:Ardeola striata)

Frushi Groupのエナーノ・バナナ農園“San Fermin”内の用水路で小魚を捕っていたササゴイ。

バナナ園内で見られるサギ類の中で最も多いのが、アマサギで、これは明らかにダントツの一位、次いでダイサギ、それからユキコサギとササゴイが続くのかなぁ、というのが私の印象です。

バナナ園はそのほとんどが、Guayas(グァヤス)川水系と、アンデス西山麓から太平洋に注ぐ河川が長い年月を掛けて作り出した沖積土壌の平野で営まれていますので、その周辺では多種多様な水鳥やFish-eaterを見ることが出来ます。ただしアマサギを水鳥に入れるのが正しいかどうかは、私には分かりません。サギ、シギ、チドリ類、レンジャク、バン等はバナナ園に隣接する水田脇を通る幹線道路や農道を車で走っていると次々に目にすることが出来ます。

幹線道路は大型トラック、特にバナナ・トラックが多いのですが、路線バス、スピードを落とさないで疾走するマイカーなどもひっきりなしにやって来るので、野鳥を見つけたからといって、車を止めて写真を撮れる状態ではありません。ほとんどの幹線道路では路肩などという気の利いたものはありません。ハイウェイ脇で野鳥写真を撮れないのが私の長年の悩みだったのですが、この春の出張中に解決方法を見つけました。たまたま、日曜日の時間潰しに、ホテルのタクシーをチャーターして幹線道路を走り、野鳥の写真を撮りに郊外に出掛けたのですが、なんと幹線道路ががらがらだったのです。バナナの船積が日曜日には行われないので、一日千台を超える大型のバナナトラックが走っておらず、また、近距離の路線バスもその便数が減らされ、雨季のこの時期、皆さんはグァヤキール市の西に位置する海岸のリゾートに出掛けて行ったのでマイ・カーは私が向かった方には極端に少なく、道路わきに安心して車を寄せて写真が撮れました。その上、日曜日は安息日のため田畑に出て働く人達の姿がないので、鳥たちは気兼ねなく水田や原野、牧場の上を飛んだり、歩き回ったりしており、シャッター・チャンスも多く、非常に楽しい鳥見が出来ました。

Cattle Egret (アマサギ:Egretta ibis)

Sr. Valdivieso(ヴァルディヴィエソさん)のサニート・バナナ農園“Locura”の堆肥場で堆肥にする前のボカシの山にいたアマサギ。

ササゴイはLa Costa(海岸地帯)の平野部だけではなく、アンデス西山麓の川辺でも良く目にします。海抜1400メートルのMindoで探鳥をしたり、自生蘭を探している時なども、川原でササゴイを見かけますし、ガイド・ブックによると、首都キートの在る2500-2800メートルのアンデス高原でも現在棲息数が増えているそうです。バナナ園内の川、あるいは農業用水は傾斜のほとんどない所を流れているため、流れはゆるく、水深も概して浅く、水も澄み、タナゴ類やVieja(ヴィエハ)の幼魚など小魚が多いので、ササゴイの餌捕りには最適なのでしょう、よくその姿を見ます。エクァドールでは米が主食なので、La Costaの広い地域で水田が広がっていますが、そこでもよく見かけます。

アマサギはバナナ園内の規格外品投棄場や新植、あるいは株の植え替えのためにトラクターが入って土を起こしているような場所などで、群れて虫や小動物を捕っています。また、堆肥場には大量の虫が発生しますので、いつ訪問してもアマサギの群れているのが見られます。