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No.15 Pacific Parrotlet(マメルリハインコ)

Photo & Text:Motoaki Itoh

Pacific Parrotlet(マメルリハインコ)

Pacific Parrotlet(マメルリハインコ)

サニート農園内のライムの樹の上で。

このインコがエクアドールの太平洋岸とペルーの太平洋岸北部、つまり、エクアドールとの国境地帯という、地球上では非常に限られた地域にしか棲息していないのを、Birds of the Worldで私が知ったのは、10年も前のことではありません。

この耳羽がルリ色をした可愛いインコも、他の多くの野鳥と同様に昔と比べると、その姿を見る機会が減ってはいます。ただ、300万人とも言われる人口を抱えるグアヤキール市の中心街を離れると、まだよく目にすることができます。Social Flycatcherや、Tropical Kingbirdほどには、目に留まる野鳥ではありませんが、ちょっと注意深く探鳥をすれば、見つけることが難しい鳥ではありません。サニート農園や有機バナナ農園、郊外の林などでは、インコ特有の騒がしい鳴き声がしますので、すぐにわかります。


Pacific Parrotlet(マメルリハインコ)

仲良しカップル。

Horneroが使わなくなった粘土の巣を、利用しているのも目にします。

40年前、グアヤキール市の中心部にある「独立記念公園」の石のベンチに座って、夕暮れ時、家族連れが散歩しているのぼんやり見ていると、騒々しい鳴き声をあげながら数百羽のインコの大群が真っ赤な夕焼けの空から降るように木々の枝におりてきました。「ああ、南米に来ているのだなあ。」と、日本を想い出していたこともありました。そのときから、このインコには、特別の思い入れがあります。