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No.13 Pinnated Bittern

Photo & Text:Motoaki Itoh

Pinnated Bittern

Pinnated Bittern

サニート農園の用水路で餌探し中に、人の気配に驚いて。

このサンカノゴイの仲間は、エクアドールではその生息数が少なくなってきたため、Red−Data Bookのなかで、Vulnerable Specie(絶滅危惧II類)として、登録されているほどです。

この鳥は、ラムサール条約に規定されている淡水の湖沼地帯に生息していますが、それらの湿原が海老の養殖池や養魚場、水田などに転換されて行く中で、次々と棲家を失って、その数を減らしているのです。

私も、この鳥はあまり目にすることはありません。ごくたまにサニート農園の中の用水路や、グアヤキール市の西に作られた人工湖“Represa de Chongon”で見かけるぐらいです。


Pinnated Bittern

まだ警戒中。

エクアドールの太平洋沿岸地帯は、グアヤス川水系によって作られた無数の沼や池、湿原を抱えた広大な盆地と、太古に火山の噴火によって造成された丘陵地帯からできているので、様々な鷺や、れんかく、鴨、鵜、ヤマセミ、Snail Kite(カタツムリトビ)など、水辺に棲息する野鳥の種類も非常に豊富です。

ボア(水錦蛇)、亀、スッポン、蛙などの爬虫類や両生類もまだ、好むと好まざるとに関わりなく、ちょいちょいお目にかかります。ただし、クロコダイルやカイマンと言ったワニは1940年代から1960年代にかけての乱獲で、太平洋沿岸地帯からは姿を消したようです。たまに、どこそこの沼や池で見かけたという話は耳にしますが。