Frushi Groupのエナーノ・バナナ農園“Rafaela”の中を飛び回っていたGreater Ani
今回取上げるGreater Ani(オニオオハシカッコウ)は、La Costa(海岸地帯)の中心Los Rios州にあるFrushi GroupのRafaela農園で最近の出張の際に撮ったものですが、実を言うと私もこの鳥をじっくり見たのは初めてでしたので、バナナ園の中に入ってこのGarrapatero(ガラパテロ、第18回掲載、英名Smooth-billed Ani)そっくりで体のはるかに大きい黒い鳥が、数羽の群れで飛び回っているのを目にした時は、「馬鹿でかいガラパテロだなあ。」と、思わず独り言を呟いていました。図鑑ではガラパテロそっくりなもっと大柄な野鳥がいることは知っていましたが、その野鳥はアンデスの東側、つまりアマゾンでは普通に見られるそうですが、La Costaではある特定な数地域でしか見られないので、まさかそのGreater Aniを見ているのだとは考えもしませんでした。テレ・レンズを向けてファインダーの中で、この落ち着き払った黒い大きな鳥を見ていると、とさか状の突起が普通のガラパテロとは明らかに違うので、「もしかして、これがGreater Aniじゃないかな。」とひらめき、ガラパテロではないと確信しました。私がカメラから目を離さず、ぶつぶつ日本語で独り言を言い続けているのを見て、一緒に居た農園場長が、「セニョール・イート。この鳥をこの辺ではTordo(トルド:うすのろ、馬鹿、等の意)と呼んでいるんですよ。No son garrapateros. (ガラパテロではありません。)」と教えてくれました。体の大きな、強い鳥にありがちな、他の鳥や蛇、人間をもあまり怖がらない習性がそのようなあだ名を付けられる事になったのだと思います。また、この鳥の肉が美味しいとは聞いたこともないので、鉄砲で狩られることもない筈ですから、狩猟の対象になるような鳥のようには人間を警戒しないのでしょう。その肉が美味しくて、食用として珍重される野鳥は人間の姿を見ると、すぐにブッシュの中や水の中に隠れてしまいます。まして、長い望遠レンズは野鳥の目に鉄砲のように映るのでしょう、ガラパゴスにいる野鳥は例外ですが、特に狩猟の対象とされる野鳥達は、散弾が届きそうな距離以内には私を近付けてくれません。話は横道に逸れますが、私は鳥肉を食べるのはあまり好きではないので、野鳥を含め、鳥肉の美味い不味いはエクァドール人、同地を訪れた日本人の友人達が下した評価の受け売りです。
ちょっと凄みのある顔で前方を見続けていたGreater Ani.
La Costaでは何処へ行っても我が物顔に振舞っているガラパテロが35センチ弱の体長しかないのに、このGreater Aniは50センチ近くもあります。体形はそっくりで、これほど大きな体をしたGreater Aniがどうして、La Costaではある特定な地域にしか棲息していなくて、人間に嫌われている訳でもないのに、その数も増やしているとは聞いていないのは、何が原因なのかとても興味があるのですが、解説書にその点は書かれていません。なにせガラパテロは、バナナ園は勿論、牧場、市街地等何処へ行ってもその姿を眼にしますし、前にも書きましたように、今ではガラパゴス諸島でもその生息数を増やしています。また、このGreater Aniは通常あまり大きくない群れを形成しますが、他の野鳥との混群は作らないと解説されています。