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No.115 Lava Heron & Lava Gull

Photo & Text:Motoaki Itoh

今回は、" Lava Heron ( ガラパゴスササゴイ: Butorides sundevalli) &Lava Gull ( ヨウガンカモメ: Larus fuliginosus)"です。

Lava Heron (ガラパゴスササゴイ:Butorides sundevalli)

North Seymour 島の磯で蟹を追っていた Lava Heron (ガラパゴスササゴイ)。

今回取り上げる Lava Heron と Lava Gull はガラパゴス諸島、とくに Santa Cruz 島の Puerto Ayora( プエルト・アヨラ ) 港ではよく目にする海鳥で、特に Lava Gull は世界規模ではとても少ない野鳥だそうですが、その地味な見かけからか、観光客もほとんど注意を払うことのない海鳥だと思います。ヨウガンカモメはアオアシカツオドリのようにフォトジェニックという訳でもないし、特徴的な求愛ダンスをする訳でもないので、私の撮った写真、それをスキャンして保存してある DVD にも殆どその姿が映っていません。今回、この地味な海鳥を取り上げるにあたって、私自身がこんなにも Lava Gull にシャッターを切っていないのに驚いているぐらいです。いくらガラパゴス諸島には、日本人の目に珍しく、或いは美しく、レンズを向けたくなるような海鳥が多いといっても、これはちょっと言い訳無用だと深く反省しています。第 74 回のリクイグアナの所で、エル・ニーニョ現象の影響で飢えて死んでいったアシカの赤ちゃんの死骸を突っついていた Lava Gull が、脇役として写っている以外この鳥の写真はありません。前回のガラパゴスオオアオサギの舞台であったホテル・ガラパゴスには、 10 年程前、左の翼を何らかの原因で骨折し、その翼をたたむことが出来ない、したがって飛ぶことの出来なくなっていた Lava Gull が一羽居ついていました。ホテルの従業員達はこの鳥に数年間餌を与え続けていましたが、ある年ホテルを訪れたらもうその姿は見えませんでした。勿論、彼等もその Lava Gull に餌を与えるのは、ガラパゴスの法令では控えるべきことだとは知っていましたが、日本流に言うと、「硬いことは言わないの。だって、どうやって、餌をとるの。死んじゃうよ。」と言っていました。本土、つまり大陸で、生活に困ってガラパゴス諸島へ職を求めてやって来た彼ら、彼女らにとっては、羽を痛めて飛べなくなり、ホテルの台所に餌を貰いに来て居ついた Lava Gull は、他人事ではなかったのかも知れません。

Lava Gull (ヨウガンカモメ: Larus fuliginosus)

一日のボート・クルージングを終え、 Santa Cruz 島への帰途に着いた我々の船に羽を休めに舞い降りてきた Lava Gull (ヨウガンカモメ)。

Lava Heron は蟹や小魚を常食としているそうで、こちらの方が Lava Gull よりは観光客のカメラの対象になっているようです。私は、ガラパゴス諸島の野鳥の中では特に、純白で尾の長い、飛ぶ姿がとても優美な Red-Billed Tropic Bird (アカハシネッタイチョウ)が大好きで、それはギリシャ神話の Phaethon の悲しい話に惹かれているのも理由のひとつですが、ガイドさん達でこの鳥が大好きだと言う人はあまりいません。彼らは、どちらかと言うと、スカレシアの林の中で見られる真紅の鳥 Vermillion Flycatcher (ベニタイランチョウ)や真っ赤に喉袋を膨らませて求愛するグンカンチョウやアオアシカツオドリのフアンが多いようです。どうも観光客とは、ガイドさんが力を入れて説明する野鳥や動物を同じように好きになるようで、少なくとも、そういう生き物にレンズを向けがちになるような気がします。