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No.110 Amazilia Hummingbird & Rufous-tailed hummingbird

Photo & Text:Motoaki Itoh

今回は、" Amazilia Hummingbird(チャムネエメラルドハチドリ:Amazilia Amazilia)とRufous-tailed hummingbird(ハイバラエメラルドハチドリ:Amazilia tzacatl) "です。

Amazilia Hummingbird(チャムネエメラルドハチドリ:Amazilia Amazilia)

プリエトさんの、当時はサニート・バナナ農園堆肥場脇で撮ったチャムネエメラルドハチドリ。

「チャムネエメラルドハチドリとハイバラエメラルドハチドリを今回取り上げます。」と、もっともらしく書き出したのですが、どうも面映くって困っています。というのは、つい2、3週間前までは、エクァドールとの間を42年間も行き来して、バナナ園とその周辺で見られる野鳥に特別な意識を持って接しはじめてもう13年になろうとしている私も、この La Costa( 太平洋沿岸地域 ) という同じ場所に棲息しているチャムネエメラルドハチドリとハイバラエメラルドハチドリの区別をしていなかった、というより、二種の異なるハチドリであることに全く気が付いていなかったのです。殆ど毎日拝見させていただいている、コスタリカ在住バーダーの方のホーム・ペイジを見ていたら、そこにある方が多摩動物園で撮ったハチドリの写真を投稿して鳥の名前を訊いていました。私はエクァドールの農園で、その写真のハチドリを度々見ていますので、「へえー、日本の植物園にも、ハイバラエメラルドハチドリが飼育されているのだ。このハチドリは中南米には広い地域で棲息しているし、何処かで捕獲されてここにいるのかなあ。」と、ちょっと嬉しくなって二度三度その投稿を読みました。ところが、翌日またそのホーム・ペイジにお邪魔してみると、オーナーの方が、これはハイバラエメラルドに似ているが、チャムネエメラルドハチドリという名で、エクァドールの乾燥地帯に棲んでいるハチドリだと、説明されているのを読みました。てっきり、今まで見てきたバナナ園のハチドリでこのような体形の鳥は、ハイバラエメラルドハチドリだと思い込んでいた私は早速過去に撮ってきたポジを SCAN してあるハチドリの DVD を引っ張り出して、 Desk Top で検証して見ました。すると、何枚かの写真は、やはりハイバラエメラルドハチドリとは、特に尾羽と胸から腹にかけての羽色が違っているので、そうか、これがチャムネエメラルドハチドリなんだろうなあ、と思いました。「なんだろうなあ。」とは歯切れの良くない表現なのですが、その理由は The Birds of Ecuador に描かれているイラストと私が撮った写真の Amazilia Hummingbird と思われる鳥がちょっとした所がいくつか微妙に違っているからです。今までこのホーム・ペイジで取り上げてきた幾つかの鳥、特にハチドリのところでは、何回も書いてきたのですが、写真に撮ったハチドリとイラストの鳥がなかなかピッタとこない場合が多々あって、つまり、棲息域やある特徴、他に似た鳥のイラストが無い等の諸点から判断して、「このハチドリしかないなあ。」と、素人判断を下しても、どうも迷いが残ったままになっていることが多いからです。

Rufous-tailed hummingbird(ハイバラエメラルドハチドリ:Amazilia tzacatl)

同じ場所のバナナの幹を支えるロープに止まっていたハイバラエメラルドハチドリ。こうして較べると二つははっきりと異なっていますね。

チャムネエメラルドハチドリとハイバラエメラルドハチドリを区別して見ていなかった一つの理由、言い訳(?)はどちらの写真も同じ所で撮ったものだったからです。撮った、または、見た年は違っているのですが、どちらもプリエトさんの農園で撮ったものです。プリエトさんの農園は、最初私どものサニート栽培計画のもと、対シガトカ病(バナナのイモチ病のようなもの)に殺菌剤の使用は必要最小に抑えても、殺虫剤、除草剤は不使用、堆肥(ミミズ利用の堆肥と EM ボカシ菌堆肥)利用でバナナを栽培しようと言うコンセプトで始めたのですが、暫くして自分が一生懸命作ろうとしているバナナはもう少し頑張れば、有機栽培バナナとして世界に通用することを知り、バナナの完全有機栽培というより大きなリスクに賭ける決心をしたのです。この若き日のアメリカ留学時代に日本からの留学生と真剣に結婚を夢見た親日家は、日本ではまだ有機バナナの輸入販売が現実的ではないことを知ると、8年程前にアメリカ合衆国とヨーロッパ市場を求めて私どものグループを離れ独立しました。そのプリエトさんの農園の殆ど同じ地点で撮ったことと、二つのハチドリが特に異なった行動をとらなかったので、このハチドリ達が違った種類のものだとは思ってもみなかったのです。同好の方のホーム・ペイジにお邪魔することで勉強できることは本当にたくさんありますね。ありがとうございました。