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No.11 Yellow Warbler(キイロ・アメリカ・ムシクイ)

Photo & Text:Motoaki Itoh

Yellow Warbler(キイロ・アメリカ・ムシクイ)

Yellow Warbler(キイロ・アメリカ・ムシクイ)

朝、ホテル・ガラパゴスの庭で餌を食べているところ。

エクアドールで、カナリオ(カナリア)と呼ばれる小鳥は2種類あります。 ガラパゴスではYellow Warbler (Dendroica petechia) のことを指し、太平洋岸では、このWarblerとSaffron Finch (Sicalis Flaveola) のことを区別しないでカナリオとよんでいます。土地の人々にとっては、どちらも黄色い小鳥で、よく似ていますので、その細かい違いなどは、どうでもよいのでしょう。

ガラパゴス諸島では、エコツアーの中心地となっているサンタ・クルス島で最も繁殖しているように思います。特に、海岸のマングローブ林の周りでよく目にします。ホテル・ガラパゴスの庭や、ダーウイン研究所に向かう道端のブッシュではいつでも写真をとることができるでしょう。生息数が確実に増えている野鳥のひとつです。

ただ、残念というか、悲しいことは、サンタ・クルス島のただ一本の幹線道路が完成してから、Mating Season(※つがいを見つける時期:1月から3月)になると、相手を追い掛け回すのに夢中になって、道路を飛び越そうとして、車にはねられる鳥が増えていることです。勿論、小鳥をイラストした道路標識が、たくさん立っているのですが…。


Yellow Warbler(キイロ・アメリカ・ムシクイ)

ダーウィン研究所の脇にあるマングローブ林の中で。

雌雄の羽の色は違っていて、雌は頭部の赤い羽根がありません。幼鳥は雌によく似ています。また、進化論で有名なダーウイン・フィンチの中で、ムシクイ・フィンチが、一見この鳥の雌に似ているので間違いやすいため、注意が必要です。

また、ガラパゴスでは、野鳥が人を怖がらないので、300ミリより短いレンズでも十分に撮影出来ますが、大陸の海岸地帯では、日本と同じように、野鳥が人間を警戒するので、もっと長いレンズが必要になります。